AYAKO

癌の漢方治療への期待、失望、そして奇跡

北里大学東洋医学総合研究所の先生が、近所の病院に診察に来る日になりました。

中医学に興味津々のわたしは、漢方治療に期待を膨らませていました。

検査で通っていた病院とは違って、待合室には高齢者ばかり。のんびりとして、いかにも地元の病院という雰囲気でした。

ほとんど待つことなく診察室に通され、病状と、三大療法はやらないつもりでいることを伝えると、医師は、レントゲンを撮って欲しいと言いました。

若干の違和感を覚えましたが、言われた通りにレントゲンを撮って、診察室に戻りました。レントゲンの機械は、ずいぶんレトロなものでした。

レントゲン写真を確認した医師は、「いますぐ手術をすべきですね、手術をしないなんて馬鹿げている」と言うと、何を言ってもまるで取り合ってくれず、結局、漢方薬の処方すらしてもらえませんでした。

「手術後であれば、相談に乗りますよ」と言われて、二度と来るものかと思いながら、病院を後にしました。

これが、日本の医療の現実なのか。東洋医学とは名ばかりなのか。

わたしは、出鼻を挫かれて、落胆していました。

その夜、友人と一緒に食事をすることになり、水炊き鍋の店を選びました。

手探りで食事療法を始めてから、肉類はほとんど食べていませんでしたが、鶏肉ならたまに食べても良いと言うし、日頃から鶏肉は自分にとってのパワーフードだと感じていたので、元気を出したいこんな日には良いだろうと思ったのです。

コラーゲンたっぷりの白濁したスープを飲んだ時、こんなに美味しいものを食べても良いのだと思うと、嬉しくて、有り難くて、涙が出ました。

食事を見直し始めた頃は、「食事制限」と捉えていて、あれもダメ、これもダメと食べられないものにフォーカスしていたせいで、もう以前のように何でも食べることはできないのだと、淋しく思っていました。

この日、水炊きのスープの美味しさに感激したことをきっかけに、食べられるものにフォーカスし始めると、美味しいものがいっぱいで、むしろ以前よりもずっと食生活が豊かになったように感じられました。

食事が終わった頃、友人の一人が「友達が九州から来てるんだけど、今からここへ来てもいいかな?」と言いました。もちろん、と答えると、その人は凄腕のマッサージ師なのだと聞かされました。

なぜだか、胸が高まって、ドキドキし始めました。

「どんなマッサージをしてる人なの?」

答えを聞く間もなく、本人がやって来ました。

明らかに、ただ者ではない目をしていました。

この人だ!なぜだか、そんな気がしてなりませんでした。

自己紹介も早々に、先ほどの質問を本人にすると、「僕はね、中医学を…」と話し始めました。

…中医学!やっぱり!

わたしは、堰を切ったように、乳癌が見つかったことや、自分で治す方法を探っていること、その日、漢方薬を処方してもらえなかったことなどを話し始めました。

神の使いが現れる!

溜め込む身体をリセットする