検査結果と、希望の空

検査の結果を聞きに行く日の朝、ソファに腰掛けて、「行きたくないなぁ」という気持ちになっていました。

「どうせ癌だし」という気持ちと、これからの不安。それに、病院に行くこと自体も憂鬱でした。

「死ぬことだって出来る病気なんだ」

わたしには珍しく、ローな気分でした。

しばらくそこに座ったまま、ふと、ぼんやり彼のことを思いました。

すると突然、頭の耳から上ぐらいの部分に、抜けるような青空が広がっていく感じがしました。広々とした場所。とても強い光。空の色や空気感から、アメリカの空だと感じました。

なんだ、これ?

そこには、希望しかありませんでした。

道は遠くまで伸びて、遠くに行けば行くほど、輝きは強さを増すようでした。

何が起きたのかわからないけど、あまりにも強い光だったので、わたしは「ひょっとして、もう癌が治ったのかも?」と楽観し始めました。

わたしは、大丈夫だ。

すっかり気分を良くして、遠足にでも行くような気分でバスに乗りました。

検査結果は、やはり癌でした。ステージ2ぐらいで、進行がとても早いとのことでしたが、光輝く未来のイメージを見ていたので、もう怖くはありませんでした。

必ず治るのがわかっていたのです。

わたしが見たのはすこし先の未来で、この時点の現実は、まだ追いついていないんだなと思いました。

わたしは医師に、「自分の身体のことだから、正確に知りたいんです」と言って、詳しく説明してくれるように頼みました。

医師は、まぁ普通の乳癌だけど、進行が早いから一日も早く手術をしたい、そんなことを言いました。病理検査の結果を詳しく説明してくれるように頼むと、それぞれの数値が表す意味を教えてはくれましたが、診察室の外へ持ち出すことはできませんと言われました。

わたしの細胞を採って、わたしが費用の支払いをしているのに、変な話だなと思いました。

医師は、先に抗がん剤で縮めるか、それとも手術が先か、進行が早いから手術が先の方が良いか、このサイズなら温存でいけそうだ等々ぶつぶつ言いながら、軽く興奮しているように見えました。そして、すぐにCTスキャンを撮って来るように促されて診察室を出ました。

もし妊娠していたら、CTスキャンは良くない筈だけど?

疑問に思って看護師に尋ねると、もう一度医師に確認してくれて、あと一週間待ちましょうということになりました。

ついでに、CTスキャンについて詳しく聞くと、よく写るように造影剤を点滴するとのこと。人によっては副作用もあると言います。得体の知れない薬品が身体を巡っていく様子を想像すると、ぞっとしました。

この日はCTスキャン以外の検査をしました。血液検査では、「8本採ります」と言われて、あまりに大量で驚きましたが、続いて心電図や肺気量の検査をして、検査を終えました。

終わる頃にはぐったりしていて、「こんなところに居たら病人にされてしまう」と思いました。

とにかく、癌が確定しました。

保険屋さんに電話をしたり、治療方針を決めたり、やることが色々あります。

そして、わたしには一週間の時間の猶予が出来ました。この一週間が勝負だ、と思いました。

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