願いが叶う時

願いが叶う時

ゴールデンウィークのはじまりに、弟とその彼女が遊びに来てくれました。

掃除上手な彼女に母が頼んでくれたようで、二人はわたしに「どうしたいかだけ言ってくれればいい」と掃除と片付けを買って出てくれて、滞在したたった二日間の間に、我が家を見違えるほどピカピカにしていってくれました。手が回らなくてくすんでいた水回りも、2〜 3年前にお掃除業者の人に水回りを掃除してもらった時よりも綺麗なぐらいです。

ダイニングテーブルの脚が壊れているのを気に掛けながら、だましだまし使っていたのも、大工の経験もある弟が綺麗に直してくれました。

このテーブルは、元々会社の打ち合わせルームで使っていたもの。寝たきり期間の後に、わたしが事務所で使っていたキャスター付きの椅子を車椅子のように使いたくて自宅に運んでもらったのですが、それと高さが合うように、うちにあったローテーブルとソファのセットと交換してもらったものです。病み上がりの身体には、屈んだり起き上がったりの動作が大きい、ソファの低い生活は辛かったのです。

大きなダイニングテーブルは、思った以上に家で過ごす時間を快適にしてくれて、自宅でも仕事がしやすくなったし、食事もしやすくなりました。

ずっと前から、自宅をアトリエのように使いたいと思っていたのですが、このテーブルは、それを叶えてくれそうでした。

さらに、弟たちが来る少し前に、急に収納家具をもらうことになりました。いままでは本棚に入る量の本しか持たないように、本を定期的に減らしていたのですが、選びきれなくて困っていたところで、会社で借りていた事務所を引き払う話が出たのです。

事務所には大きなレコード棚のほかに、主にわたしが使っていた小さな本棚があったので、その小さな本棚を貰うことにして、その棚に入る分だけ、持つ本を増やすことにしようと決めました。実は大きなレコード棚も以前から狙っていたのですが、そちらは別の家へ行くことになっていました。

ところがいざ家具を運ぶタイミングになると、急遽、その大きなレコード棚が、我が家へやってくることになったのです。別の家へ運んでみたものの入らなかったそうで、うちへ運んでもらうと、わたしの部屋には誂えたようにぴったりと納まったのでした。まるで、最初からうちへ来るのが決まっていたかのようで、ぴったり過ぎて笑ってしまうぐらいでした。

レコード棚には仕切りのひとつひとつに扉がついていて、中身が見えないように物を仕舞うことができます。そこに、大型の本だけでなく、洋服を作るつもりで買ってあった布や、細かくて散らかりがちだったアクセサリー作りの道具までもが次々と納まっていきました。

さらには、模様替えの結果、ずっと欲しかった施術ベッドを置けそうなスペースも生まれました。

寝たきりになっていた 5日間、なにもできなかったので、ある意味、瞑想的な時間を過ごすことになったのですが、その時に、今後どんな暮らしをしていきたいかを思い浮かべたりしていました。

その中で、動けるようになったら本当に必要なものだけを持って、スッキリした部屋で暮らしたいと強く思ったのです。まるでその願いが叶う瞬間を見ているようでした。

しかも、わたしは、ほとんど何もしていないのです。まずは大きなテーブルがやってきて、次に母が来て掃除と片付けをしてくれ、その次に収納家具、最後に弟たちが来て、「こうなったらいいな」と思っていた通りに模様替えしてくれました。

わたしはただ、希望を言って座っていただけで、後から思うと、スッキリした部屋で暮らしたいという願いも、自宅をアトリエのように使いたいという願いも、まとめて叶ってしまったわけです。

願いを叶えるためには頑張らないといけないと思いがちですが、実際に願いが叶う時、特にライフスタイルが大きく変わる時って、こんな風に周りの力でどんどん変わっていくのだったなと思い出しました。

前にわたしの人生が大きく変わった時、もう 20年ほど前になりますが、あの時は、弟の運転するトラックに最小限の荷物を積んでもらい、夜通し山崎まさよしを聴きながら上京したのがはじまりでした。

思えば今回も弟が、新しい生活のベースをつくるのを手伝ってくれたわけです。これからわたしの暮らしは、どう変わっていくのでしょうか。

もうひとつ、先日母が来た時に、友人にご馳走してもらったウニのお寿司が美味しくて、どうにかあれをまた食べたいなぁとずっと思っていたのですが、なんと弟がお土産に、ウニの板を二枚も買って来てくれて、あっさりと、そしてずっと豪勢な形で、願いが叶ってしまったのでした。

Leave a Reply

Your email address will not be published.

CAPTCHA