母の来日とスギナ風呂

母の来日とスギナ風呂

乳がんが見つかる前までは、年に 1〜 2回、母の住むアメリカへ遊びに行くのを楽しみにしていました。治療をはじめてからは遊びに行くことができないまま、いつの間にか二年半も経ってしまいました。

最初のうちは、すぐに、おそらく半年ぐらいで癌が治ると思っていたので、治ったら遊びに行って、報告すればいいやと軽く考えていたのです。ところがだんだんと長引くうちに、肋間神経痛を患ったり、治療費がかさんだりで、旅をすることが難しくなっていきました。

病気のことは話せないままでした。中途半端にメールなどで癌を患っていると伝えた場合に、心配性でわたしのことが大好きな母が、過度な心配をして苦しむのではないかと危惧していました。いまのわたしは自分のことで精一杯で、母の心配性を受け止めきれないと思ったのです。

一方で、会って納得がいくまで話ができれば、わたしが実践している治療法についても、理解してもらえるだろうとも思っていました。そうなれば、心強い味方になってくれるだろうとも思っていました。

昨年の秋頃、こんなに長い間遊びに行かないのも不自然だし、そろそろちゃんと話をしたいなぁと考えはじめていました。経過は良くて、春が来たら治りそうな感じもあったので「いまなら」とも思えました。そこで、遊びに行きたいと連絡をしていたのですが、その直後にがたっと体調を崩してしまい「春になったら」と、予定を引き延ばしたのでした。

いざ春になってみると、たしかにわたしの身体は一斉に排毒を開始して治りはじめましたが、治癒症状はわたしの想像を遥かに超えて辛いもので、ほとんど寝たきりのような状態が続きました。

そんな時、母から急に日本へ行くことになったと連絡があったのです。

このタイミングで母が来るということは、話をする機会が与えられたのだと思って、ちょうど行きたいと思っていた徳島の伯父のところで会う約束をしました。それまでに元気になりたいと思っていましたが、日が経つにつれ、いまの体力では、とても徳島まで行くのは無理だと思い直しました。

外出はママ先生のところへ行くのが精一杯。家事もままならず、彼が来た時に洗い物や洗濯をしてもらっているような状態で、掃除をしたいと思っても、身体が思うように動きません。

結局、徳島行きは諦め、母には体調が良くないから東京へ来てほしいと頼みました。会って話をしたかったし、ずっと出来なかった家のことを手伝ってほしかったのです。

その時点で、母は薄々、ただ事ではない何かがあるのを感づいていたようで、わたしが危惧していたほど驚くこともなく、話を聞いてくれました。そして、短い滞在期間中に、この冬の間中わたしができないでいた掃除や片付けを、見事なスピードで次々とすませてくれました。

わたしはただ、安心して昼寝をしているのだけで、どんどん部屋が輝きを取り戻していくのです。46歳にもなった娘が、71歳の母に甘えるのもどうかと思いましたが、今回は母に甘えさせてもらって、本当に助かりました。

母は、わたしを心配していた弟や義父にも、状況をうまく伝えてくれたようでした。みんなが温かい言葉をかけてくれて、わたしは家族の温かさをしみじみと感じました。

大好きな義父は「Bumpy Flight」という題名のメールをくれて、わたしはその言葉だけで、義父がわたしの気持ちを理解してくれているのを感じました。癌が見つかる前、わたしはパイロットの父に小型飛行機の操縦を習っていました。風が強くて、飛行機が上下にがたんがたんと激しく揺れることを「Bumpy」と言いますが、わたしはそんなフライトでも落ち着いて義父の指示に従い、恐れることはありませんでした。

自己治癒の道を選んだ場合、周囲の理解を得ることが最初のハードルになることも多いと思います。ですが、理屈を超えた愛で信じてくれる人たちもいる。わたしはそんな家族や仲間に恵まれて、本当に幸せだと思いました。

いままで、ひとりで何でもやってきましたが、治癒症状がはじまってからは、ひとりでできないことが増えました。こんな時に頼れるパートナーや家族、友だちの存在は、本当にありがたいものです。

最近では毎日がクリスマスかと思うぐらい、日本中あちこちから荷物が届きます。北陸から旬のワカメを送ってもらったり、四国から薬草を送ってもらったり、九州から野菜を送ってもらったり。今日は弟が、わたしの大好きな伊勢うどんを送ってくれました。

母の滞在中、最初の夜があまりにも寒かったので、次の日から毎日スギナ風呂に入ったのですが、やっぱり身体がポカポカになって、夜中に暑くて起きるぐらいでした。わたしだけでなく、寒がりの母も、布団から足先を出していたほどで、スギナ風呂のあまりの効果に二人で驚きました。

母が来てから毎日、不思議なぐらい順調に回復していたのですが、母が帰ったあとは、なんだかやけに身体が固くて、ひょっとして順調な回復も、スギナ風呂の効果だったのではないかなと思っています。

追加でスギナを送ってもらったので、明日からまた、スギナ風呂を楽しもうと思います。

食べるために買った菜の花ですが、紋黄蝶が集まったような姿があまりに可愛くて観賞用に。

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