ベランダの小さな庭からの贈り物

ベランダの小さな庭からの贈り物

冬の間中、ほとんど手入れができなかったのに、今年もベランダの薔薇が咲きました。手入れをしていないだけあって、花も小さいし、樹勢も若干さみしいのですが、やっぱり家の薔薇が咲くとうれしいものです。

わたしは薔薇の香りが好きなので、家で育てるのは、なるべく香りのいい薔薇を選ぶようにしています。手元に一輪飾っておいて、時々鼻をくっつけては、香りを吸い込むのが好きなのです。家では農薬も化学肥料も使っていないので、胸いっぱいに吸い込んでも安心です。

アメリカ人の義父は、メールの最後にいつも “Take Time to Smell the Roses.” と書き添えてくれるのですが、薔薇の香りを愉しむ時間、つまり、目の前にある小さな愉しみに心を向ける時間をほんの少しでも持つことは、とても大切なことだと思います。

Souvenir du Docteur Jamain

家で咲いた薔薇を部屋に飾るのも、薔薇の季節の愉しみのひとつです。

手入れ不足の鉢植えでは、花数が少ないからたくさん摘めない、というのもあるけれど、わたしは薔薇を一輪ずつ、ポツポツと植えるように飾るのが好きで、ひと鉢につき一輪を摘んで部屋に飾って、残りはだいたい、そのまま咲かせておきます。そうすると部屋の中と外が繋がっているように感じられて、自然な感じが、好みなのです。

写真で使っているのは、球根をのせるためのお皿がついた花器ですが、このお皿のおかげで短い枝も飾ることができて、ブルーの色合いも美しい最近のお気に入りです。色違いや、大きなサイズのものも欲しいなぁと思っています。

去年、挿し木でせっせと増やしたミント(スペアミント)も、何も手入れしていないのに今年も元気です。これから夏に向けて、ハーブティーにしたり、お風呂に入れたり。部屋にグリーンが欲しい時に飾ると、香りも楽しめます。ミントはなにかと使えるので、ひと鉢と言わず、何株か育てておくと便利です。

ミントにはデトックス効果があるので、わたしは、朝の白湯に浮かべたりもします。

最近は、サラダに入れるのが気に入っていて、コリアンダー(パクチー)とディル、ミント、玉ねぎのスライスを山盛りのせたサラダをレモンと塩のシンプルな味付けで食べるのが好みです。近所のベトナム料理店「スタンドバインミー(Stand Bánh Mì)」のハーブのトッピングを参考にしているのですが、香りを食べているような感じも楽しくて、おすすめです。

いくつかの本で読んだことがあるのですが、家で育てた植物は、その家族のためだけの特効薬の効果を持つようになる、という話があります。中でも「アナスタシア」(ウラジミール・メグレ著)シリーズでは、植物の種とコミュニケーションをとって育てるやり方が詳しく紹介されています(一巻では出てこないのですが、シリーズの中で何冊かに渡って語られています)。

わたしも、「アナスタシア」式ほど厳密にはしていませんが、時々ミントの葉をざざっと撫でたりして、なんとなくコミュニケーションをとるように心がけています。我が家で育ったミントが、少しでも治療の助けになってくれていたらうれしいのですが、どうでしょうか。

そうそう、植物を撫でて可愛がるとよく育つという説があります。実際のところは、植物にとっては、撫でられるのはストレスです。ところがそのストレスが、彼らの体を強くするので、結果的によく育つのだそうです。

人間側の思いとはだいぶ違いがありますが、動かない生き方を選んだ植物が、わたしたちに与えてくれるものはとても大きい。植物療法を実践していると、その力に驚かされることがたくさんあります。そんなこんなで最近は、植物の持つ不思議な力に、とても興味を持っています。

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